(参考資料)用語集

ア行

<アジア太平洋GIS基盤常置委員会(PCGIAP:Permanent Committee on GIS Infrastructure for Asia and the Pacific>
国連アジア太平洋地域地図会議(UNRCC-AP)の勧告に基づき、地理情報システム(GIS)に必要な基盤データの整備促進を図るため、同地域56カ国・地域の国家測量・地図作成機関の代表がメンバーとなり、1995年から活動を開始。2000年から国土地理院が事務局を担当(会長:オーストラリア、副会長:中国)。地図会議は毎年開かれ、2006年は9月にタイのバンコクで開催予定。

<位置情報>
「空間上の特定の地点又は区域の位置を示す情報(当該情報に係る時点に関する情報を含む。(地理空間情報活用推進基本法案(第一六四回衆第三九号)第二条一項一号より引用)

<SAR:Synthetic Aperture Radar(合成開口レーダー)>
リモートセンシングセンサーの一種。人工衛星や航空機が移動しながら搭載したセンサから地上に向けてマイクロ波を照射し、その反射波を次々と合成処理することにより、その軌道上に仮想の巨大アンテナがあるのと同等な高分解能の画像が得られるようにするレーダーシステム。同じ場所を時間間隔をおいて2回観測し干渉処理を行うと、微少な標高差を高精度に検出することが可能で、地殻変動の面的な分布の計測に利用されている(干渉SAR)。二つのアンテナを搭載して、画像と同時に干渉情報を取得することにより、地形計測を行うことも可能。

<オンライン刊行>
測量成果のうち電磁的方式によって記録されたものを、インターネットを使って刊行すること。

カ行

<基盤地図情報>
地理空間情報のうち、電子地図上における地理空間情報の位置を定めるための基準となる測量の基準点、海岸線、公共施設の境界線、行政区画その他の国土交通省令で定めるものの位置情報(国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)であって電磁的方式により記録されたもの。(地理空間情報活用推進基本法案(第一六四回衆第三九号)第二条三項より引用)

<空中写真>
飛行中の航空機などから航空カメラにより地表面を撮影した写真のこと。同一地点を複数の位置から撮影することにより、地表面の3次元情報を取得することができる。

<公共測量>
「公共測量」とは、測量に要する費用の全部若しくは一部を国又は公共団体が負担若しくは補助して実施する測量をいう。(測量法第5条)

なお、ここでいう「測量」には、基準点測量、地形測量などの一般の測量のほかに地図の調製や測量用写真の撮影も含まれている。ただし、小道路や建物のため等の局地的測量又は高度の精度を必要としない測量で測量法施行令(昭和24年政令第322号)第1条に定められている測量は、除外される。

<国土交通省安全・安心のためのソフト対策推進大綱>
国土交通省が、安全・安心を確実にしていくため、自然災害や事件・事故に対するハードを中心としたこれまでの対応に加え、情報、広報などのソフト対策について問題点を検討し、今後、取り組んでいくべき施策や方針を「5つの改善、5つの取組」として、平成18年6月にとりまとめ、公表したもの。

サ行

<GIS:Geographic Information System(地理情報システム)>
電子情報化した地図データと空間データ(地理的位置や空間に関する情報を持った自然・社会・経済等の属性データ)をコンピュータ上で結合させ、統合的に処理・管理・分析し、その結果を表示するコンピュータ情報処理システム。

<GPS:Global Positioning System(汎地球測位システム)>
4~5個以上の人工衛星の電波を同時に受信して位置を正確に求めるGNSS(Global Navigation Satellite System-汎地球測位航法衛星システム)の一つで、船舶や航空機等の航法支援システムとして1970年代に米国で開発。上空視界が開けている場所であれば、全世界で共通に利用可能。国土地理院では、電子基準点によるGPS連続観測、精密測地網測量や地殻変動測量、基準点測量に利用し、複数の受信機により㎜単位の高精度で測位を実施。GNSSには、GPS以外にも、ロシアで開発・運用しているГЛОНАСС(GLONASS)、ヨーロッパ連合で計画しているGalileoなどがあり、我が国で打ち上げが計画されている準天頂衛星計画にもGNSSとしての機能を持たせることが計画されている。

<正射画像>
中心投影で撮影した空中写真を地図と同じ正射投影に処理した画像。オルソフォトとも言う。

<セミダイナミック測地系>
地殻変動が複雑な日本列島において、国家基準点を利用した測量結果と測量成果(三角点の経度・緯度など)の整合性をcmレベルで維持することを目的として、地域毎の定常的な地殻変動量を把握し、その補正を測量結果に組み込んだ測地系。

タ行

<地球地図(Global Map)>
地球全体の地形・植生や土地利用の情報を全世界同一仕様(1kmメッシュ、縮尺100万分の1)で、カバーする数値地図。世界149の国と地域の参加により整備中。地球環境の実態やその変化を把握するとともに、地球環境問題の分析や施策立案を行うために利用される。

<地球地図国際運営委員会(ISCGM:International Steering Committee for Global Mapping) >
地球地図整備に向けた調整の促進、整備方策検討のための常設組織として1996年に設立され、事務局長は国土地理院地理調査部長が務める(会長は、D.R.Fraser Taylor教授・カナダ)。委員会には、17カ国の国家地図作成機関の長クラスの委員と国際機関等からアドバイザーが参加。年1~2回の会合を開催。2005年の会合(第12回)は4月にエジプト国カイロで開催。

<地理空間情報>
位置情報または位置情報に関連づけられた情報からなる情報。(地理空間情報活用推進基本法案(第一六四回衆第三九号)第二条一項より引用)

<地理情報システム(GIS:Geographic Information System)>
電子情報化した地図データと空間データ(地理的位置や空間に関する情報を持った自然・社会・経済等の属性データ)をコンピュータ上で結合させ、統合的に処理・管理・分析し、その結果を表示するコンピュータ情報処理システム。

<地理情報システム関係省庁連絡会議>
平成7年1月の阪神・淡路大震災等の教訓を踏まえ、関係省庁の密接な連携の下にGISの効率的な整備及びその相互利用を促進するため、平成7年9月、内閣に設置された。平成17年9月に同会議は廃止され、その決定事項は平成17年9月に新設された測位・地理情報システム等推進会議に引き継がれた。

<電子基準点>
国土地理院が全国1,231箇所に設置しているGPS連続観測を行う基準点。

<電子国土>
数値化された国土に関する様々な地理情報を位置情報に基づいて統合し、コンピュータ上で再現するサイバー国土。

<電子国土Webシステム>
国土地理院が提供する基盤的地理情報と行政機関等が保有する地理情報について、インターネットを利用して自由に発信できるシステム。専用サイトから無償で、いつでもどこでもだれでも地理情報を利用することが可能。

ハ行

<VLBI:Very Long Baseline Interferometry(超長基線電波干渉法)>
宇宙の彼方にあるクエーサー(準星)から放射される電波を、数百km以上離れた2ヶ所以上の電波望遠鏡で同時に受信し、その到達時刻の差を計測する技術。国土地理院では、数千km離れた2地点の距離を誤差数mmで測定し、測地網の規正やプレート運動の監視に使用。

ラ行

<陸域観測技術衛星「だいち」>
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が平成18年1月に打ち上げた地球観測技術衛星。3つの地球観測センサを搭載し、高度約700kmの軌道から観測を実施。国土地理院はこの衛星の観測データを利用した地図作成、地理調査及び地殻変動観測等を計画。

ワ行

<ワンストップサービス>
インターネット上の一つの窓口から一回の操作で各種の行政サービスを受けられるようにする仕組み。ここでは、利用者が地理空間情報*を得ようとする際に、必要な情報を整備・管理する機関ごとに問い合わせをしなくて済むように、必要な情報または情報の取得方法について、1カ所から集中して提供する仕組みを整えること。