5. 被災状況を把握し、災害復旧・復興を支援する

災害対応において、迅速な被災状況の把握は最重要事項です。
国土地理院は、災害対策基本法に基づく「指定行政機関」として、様々な地理空間情報を提供することで災害対応および復旧・復興活動を支援しています。

空中写真等による災害状況の把握

空中写真は、被災地の全体像を把握するために非常に有効です。
国土地理院では、撮影した空中写真から被災状況を判読し、地図上に表示することでわかりやすい地理空間情報を提供しています。
災害時における緊急撮影については、関連ページをご参照ください。

○斜面崩壊・堆積分布図
 平成30年北海道胆振東部地震
 北海道胆振東部地震において撮影した空中写真と空中写真から判読した斜面崩壊・堆積分布図
 (左)空中写真  (右)空中写真から判読された斜面崩壊・堆積分布図

○浸水推定図
 SNSや空中写真等から水際の位置を判読し、数値標高データを用いて、浸水範囲における水深を算出して深さを濃淡で表現した地図です。
 このような情報は、排水ポンプ車の配備計画等の復旧・救援活動にも活用されます。

 令和3年8月の大雨
 令和3年8月の大雨の際に作成した浸水推定図
 六角川(8月14日14時作成)

復旧・復興のための情報を提供

電子基準点、三角点、水準点などの基準点の復旧測量を迅速に実施し、現況に適合しなくなった成果を修正するとともに、公共基準点の成果改定のための補正パラメータを提供します。
これらの成果は、復旧復興のための事業等に役立てることができます。

平成28年熊本地震において測量成果を改定した三角点と水準点の図
平成28年熊本地震において測量成果を改定した三角点(左)と水準点(右)

平成28年熊本地震において提供した補正パラメータの図
平成28年熊本地震において提供した補正パラメータ 水平位置(左)及び標高(右)

また、復旧作業に必要な情報を正確に表示した地図を作成・提供します。

復興のための基本図
熊本県熊本地震応急復旧対策基図

災害情報の集約

国土地理院では、災害時に特設ページに被災情報を集約し掲載しています。
被災状況の全体像を一元的に把握できるようにウェブ地図「地理院地図」を用いて各種地理空間情報の重ね合わせが可能です。

地理院地図で平成27年9月関東・東北豪雨における空中写真を表示させた図
地理院地図による被災情報の集約